豪雨に台風、巨大地震など、日本列島が多くの自然災害にみまわれたこの夏。たとえ自分の住む地域が直接被害を受けていなくとも、テレビなどで流れる大雨情報や避難勧告、地震情報などの「ニュース速報」に注目した人は多いのではないだろうか。
いち早く身を守るための情報を得て、正しく行動することの重要性が叫ばれる昨今。テレビやアプリを通じた「ニュース速報」の必要性について、NHKに話を聞いた。
豪雨、台風、地震…気象などの変化により、ニュース速報は4倍以上に
7月には、西日本を中心に全国各地に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨が発生。8月には、観測史上2番目の多さだという9つの台風が日本近海で生まれた。なかでも28日に発生した台風21号は、
9月に入り近畿・四国地方などに大きな爪あとを残した。こうした災害は気象のみにとどまらず、6日未明には北海道で震度7を記録した巨大地震が発生。その影響はいまだ収まっていない。
連発する大規模な自然災害に、テレビからは毎日のように「ニュース速報」が流れてくる。これに目をとめ、助けられた人も多かったのではないだろうか。
NHKによると、ニュース速報には大きく分けて2種類あるという。1つは防災・減災を目的としたもの、1つはニュース全般に関わる速報だ。防災・減災にまつわるニュース速報には、
地震に関するもの(緊急地震速報、津波注意報など)、火山の噴火に関するもの(噴火警報、火口周辺警報)、気象やそれによる災害に関するもの
(気象警報、大雨情報、氾濫危険情報など)、そして避難に関するもの(避難指示、避難勧告、避難準備情報)などがある。
自然災害が相次いだこの夏。これまでになく多くの気象・防災関連のニュース速報を目にしたように思うが、「速報が流れる頻度は、4半期ベースで見ると2年前に比べて大きな変化はない」そうだ。
ただ、「気象状況の変化によって、月単位で4倍以上の差があります。速報を行なう基準は、その元になる情報の必要性や変化を考慮して、常に見直しを行なっています」とのこと。
統計上では大きな変動はなくとも、これほどまでに速報の数に差が出るのであれば、この夏はまさにピークと言えるかもしれない。
障害者やお年寄りでも情報を受け取れる、「テレビのニュース速報の重要性は変わらない」
テレビのニュース速報では、画面上部のテロップとともに独特な音が流れる。多くの人が経験済みだろうが、たとえ画面を見ていなくとも「何かのニュース速報が流れる」と注意を引き付けられる仕組みだ。音だけに限っても、より多くの人に届けるための工夫がある。
「例えば緊急地震速報のチャイム音は、NHKが独自に開発したものです。身の周りですでに使われている効果音やアラーム音に似ていなく、聴覚に障害がある人やお年寄りなどが聞こえやすい音にしてあります。このような研究、開発は常に進めています」
テレビさえついていれば、自ら能動的に探しに行かなくとも、誰でも簡単に情報を受け取ることができる。それが、テレビのニュース速報の利点だ。
「命を守るために必要な防災・減災情報や、視聴者の方が関心を持っている重要なニュースなどを速報しています。広く普及していて、アクセスが容易。
誰でも見ることができるテレビというメディアでニュース速報を実施することの重要性は、今後も変わることはないと考えます」
停電でテレビが見られない、その穴を埋めるニュース・防災アプリ
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://www.oricon.co.jp/special/51745/