こだわりの白と黒
鉛筆画は、線を引く、塗りつぶす、ぼかすといったさまざまな方法を組み合わすことで、濃淡を生かし、立体感や陰影まで見事に表現することができる。
「懐がとても深い画材であることに感動すら覚えます」
色鉛筆ではなく、黒一色のモノトーンで描くことも、菅野さんにとって大きな意味がある。
「色がない分、鑑賞者それぞれの感覚で自由に情景をイメージして味わうことができるのです」
精魂込めて作品奉納
細部まで緻密に描き込んだ菅野さんの艦船画は、写真以上にリアルな迫力が特徴で、月刊誌「丸」の挿絵にもなった。戦争体験者を中心に深い共感を呼び、旧海軍艦艇ゆかりの神社への作品奉納も続けている。
それら艦艇には武運を祈願して有名神社の分社を艦内神社としてまつっていた縁で、石清水八幡宮、護王神社(京都)橿原神宮、大和神社(奈良)など全国12の神社に作品を奉納した。
靖国神社での作品展「肖像−序−海征く艟艨(どうもう=軍艦)たちの残影」は6月1日から8月31日の3カ月間、遊就館内特設展示場で行う。まさに戦艦たちの「肖像画」と呼ぶにふさわしい30点以上の見事な作品は、戦争を知らない若い世代にも強いインパクトを与えるに違いない。
http://www.sankei.com/west/news/170426/wst1704260063-s1.html
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