兵庫県や県内各市町に平成28年度に寄せられた障害者への虐待通報のうち、県や市町が虐待と認定したのは68件だったことが、県のまとめで分かった。数値の公表が始まった24年度以降、27年度(69件)に次いで2番目に多かった。

県によると、28年度に県や市町に相談や通報、届け出のあった件数は310件(前年度比4件減)。このうち68件が目撃情報や証拠などから虐待と認められた。加害者の内訳は家族や親類などが48件、福祉施設職員らが17件、企業の雇用主などが3件だった。

 福祉施設職員による虐待では、支援員がプロレス技の「ラリアット」を障害者に打ち付ける暴行を加えたり、障害者を転倒させて引きずりながら別室に連れていったケースもあった。

 虐待の種類別(重複あり)では暴行などの身体的虐待が35件と全体の41・7%を占めた。暴言などの心理的虐待が22件、貯金の使い込みなどの経済的虐待が15件、育児放棄が7件、性的虐待が5件。障害者の障害別(同)では、知的障害が全体の58・1%の43件と最多。身体障害が21件、精神障害が10件だった。発達障害はなかった。

 県の担当者は「施設職員の研修などで障害者虐待への意識が高まっていることが300件を超える通報につながったのではないか。今後は保護者向けの説明会で具体的な虐待事例を説明し、被害の減少につなげたい」と話した。

 平成24年10月に施行された障害者虐待防止法は、障害者への虐待を発見した場合に県や市町への通報を義務づけている。

http://www.sankei.com/smp/west/news/180220/wst1802200018-s1.html

引きずって連れて行ったら虐待か?