私自身は、大学では社会科学を専攻し、
米国ではメディアについて学び直して日米共に出版業界に長年勤め、
ノンフィクションやルポ等を中心に手掛けてきた経験があります。
この業界では、大手新聞社の主張やオピニオンといった社説に合わないケース、
また国から圧力が掛かってボツにされる記事などが、
タブロイド紙や週刊誌に掲載されるというのはよくあります。
制限や圧力がかからずに自由に書けるというメリットがあるので、
決して軽視されるものではありません。
スウェーデンの報道の在り方や移民問題について学ぶため、
スウェーデンに在住経験もありますが、スウェーデンの特徴として、
メディアや市民の政府寄りが色濃く、
反対意見や批判が言いづらい環境があり、公平さに欠けます。
宮川氏を取材された日本人ライターは、
ジャーナリストとして実際に老人ホームに入ってリスクと戦っている人の取材はしていませんし、
経済的に困窮し感染が広がった有色人種の移民にも取材はしていません。
BBCのジャーナリストは少なくともコロナで亡くなったスウェーデンの家族、
看護師、救急隊員、ケアウォーカーや現地の識者にインタビューして
本物に近いものを書き上げています。