介形虫は「貝形虫」「カイミジンコ」とも呼ばれる。二枚貝を背負ったヤドカリのような生物で、植物プランクトンなどを食べていた。
田中助教は、熊本大特任准教授などを務めていた2009〜16年の調査で、岐阜県と宮崎県の地層の石灰岩から介形虫の化石を見つけた。このうち3種類が新種で、いずれも雌雄のカップルだった。雌の貝殻には子どもを育てる「保育嚢のう」と呼ばれる袋を確認した。
これらの岩石には、時代を特定するのに使われる「示準化石」と呼ばれる化石が含まれていたため、雌雄の化石が4億3300万〜4億2300万年前のものとわかった。田中助教は、この時代には雄と雌の区別がつく生物はほかにいなかったとして、「『日本最古の生物のカップル』とも言える」としている。
英国・レスター大などとの共同研究の一環で明らかにした。
名古屋大博物館の大路樹生教授(古生物学)の話「これまで最古とされたものは、雌雄の違いがはっきりと分からなかった。今回、雌雄の違いがはっきりと確認され、生物学的にも進んだ発見と言える」
約4億2300万年前の地層の石灰岩から見つかった、介形虫の雄(右)と雌の化石の画像
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読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181119-OYT1T50037.html