「月には氷があるのではないか」というのは1960年代にアポロ計画が実施される以前からささやかれていたことですが、実際に「あるらしい」ということがわかったのは1994年になってからのこと。以降もさまざまな調査や研究が重ねられ、水が存在する可能性が高いことがわかっていますが、ハワイ大学の研究者らによって月の極域表面に氷が露出していることが確認されました。

Direct evidence of surface exposed water ice in the lunar polar regions | PNAS
http://www.pnas.org/content/early/2018/08/14/1802345115


Scientists found the moon has ice in the shadows of its poles ― Quartz
https://qz.com/1363690/scientists-found-the-moon-has-ice-in-the-shadows-of-its-poles/
https://i.gzn.jp/img/2018/08/21/moon-ice/01.png

月の氷にまつわる調査・研究は世界各地の研究チームが行っています。一例として、東北大学を中心とした研究チームは2018年5月、生成に水が不可欠な鉱物「モガナイト」を月の隕石から発見。月の地下に大量の氷が埋蔵されていて、太陽光の当たる表面で蒸発しているという研究成果を報告しています。

月の地下に大量の氷が埋蔵されている可能性 | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/05/press20180503-01.html

今回、ハワイ大学の研究チームは、2008年にNASAが送りこんだ月鉱物マッパーによって得られたデータのうち、月の極域にあるクレーターでずっと影になっている部分のスペクトル分析を実施。岩石と混ざるようにして氷が含まれていることを突き止めました。

研究チームの地質学者Shuai Li氏によると、この氷は月に彗星が衝突した際に生成されたものである可能性が高いとのこと。ただ、厳密な起源は特定できていないため、月面探査車で氷のサンプルを採取したいと語っています。

https://i.gzn.jp/img/2018/08/21/moon-ice/00.jpg
https://gigazine.net/news/20180821-moon-ice/