0001しじみ ★
2018/02/02(金) 00:26:59.20ID:CAP_USER火星への有人探査ミッション。そこでは火星の大地に居住施設を設けることも検討され、
実際に火星を想定した隔離生活実験も行われています。
しかし、そうした火星での生活のために必要な電力その他のエネルギーをどう確保するか、
また地球へ帰還するためのエネルギーはどうするのかという問題は、まだ解決されていません。
NASAのロスアラモス国立研究所とアメリカ合衆国エネルギー省(DOE:Department of Energy) は、
火星探査に必要なエネルギーを現地で発生する発電ユニット「Kilopower」を開発しており、
そのシステム試験に成功したと発表しました。
Kilopowerは放射性物質の核分裂を利用して発電する宇宙用核分裂システム。
燃料にはウラン235を使用しており、
放射性崩壊から得た熱をヒートパイプで高効率スターリングエンジンに送り、そこで電気に変換します。
NASAは記者会見で「Kilopowerはコンパクトかつ頑丈に作られるため、
複数基をひとつの着陸機に搭載することができ、火星の居住施設全体に合計で数十kWの電源を用意できる」としています。
Kilopowerの出力は最大10kW程度で、単体でもおよそ2世帯分の電力を10年間にわたって供給する能力があるとのこと。
4〜5基あれば居住施設全体の電力をまかなえます。
開発チームはここまでの試験は問題なくスムーズにこなすことができたとして、
この3月には出力を最大の10kWにまで高め、28時間の連続運転試験を実施する予定です。
映画「オデッセイ」では、火星での電力供給に太陽光パネルで電力を供給する一方、
無人時の電力供給用としてRTG(Radioisotope thermoelectric generator:放射性同位体熱電気転換器)と呼ばれるユニットが登場しました。
RTGはプルトニウム238の放射性崩壊の熱と熱電対を利用して電力を発するシステムで、
古くはパイオニアやボイジャーから、
最近でも土星に突入して役目を終えたカッシーニといった無人探査機によく使われています。
Kilopowerは、RTGの次世代を担う宇宙ミッション向けエネルギー源として開発されています。
関連ソース画像
http://o.aolcdn.com/hss/storage/midas/11d4ca5e89bb06b5db3433f95fe0c9eb/206044371/kp.jpg
関連動画
Powering a Habitat on Mars with Kilopower https://youtu.be/bdMzFQOABcQ
engadget
http://japanese.engadget.com/2018/01/19/nasa-kilopower-3-4-5-10/