【7月11日 AFP】体外受精(IVF)の処置を受けた米カリフォルニア州の夫婦が、IVFの歴史において最もひどい事故ともいわれる胚の取り違えによって見ず知らずの女性が自分たちの息子を産んだとして、不妊治療クリニックを相手取り訴訟を起こした。
同州ロサンゼルスの不妊治療クリニック「CHAファーティリティ・センター(CHA Fertility Center)」は、ロサンゼルス郊外グレンデール(Glendale)在住のアニー・マヌーカン(Anni Manukyan)さんとアショット(Ashot Manukyan)さん夫妻を含む3組のカップルの胚を取り違えた。マヌーカン夫妻は、この取り違えにより人生が一変したと語っている。
取り違えの結果、マヌーカン夫妻の胚と、身元が明らかにされていない別のカップルの胚がニューヨーク在住の女性の子宮に移植された。女性は今年3月、マヌーカン夫妻の息子を出産した。
マヌーカン夫妻は10日に会見を開き、CHAファーティリティ・センターから突然連絡を受けるまで、息子の存在を知らなかったと述べた。この時、ニューヨークのカップルに生まれた男児がマヌーカン夫妻の息子かどうかを確かめるため、DNAの提供を求められたという。
さらに追い打ちをかけるように、アニーさんは後に、自身に移植された胚が同クリニックを受診していた別のカップルのものだったと知らされた。アニーさんはこの移植では妊娠には至らなかった。
マヌーカン夫妻は長い法廷闘争の末、息子が生後6週間だった5月にようやく親権を勝ち取った。
アニーさんは「CHAファーティリティ・センターは3家族に生き地獄を味あわせた。われわれの人生は決して元通りにはならない」「誰がホテルのロビーでわが子と対面したいだろうか?」「本当に胸が張り裂けるような思いで、つらかった」と述べた。(c)AFP
・They thought their embryo didn’t take. Then their son was born to a stranger across the country, lawsuit claims.
https://www.washingtonpost.com/nation/2019/07/10/they-thought-their-embryo-didnt-take-then-their-son-was-born-stranger-across-country-lawsuit-claims/
(米カリフォルニア州で体外受精(IVF)の処置を受けたものの、取り違えの被害を受けたマヌーカン夫妻)
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https://www.washingtonpost.com/resizer/LpLJuDdi7eeYl6dWDzzWM0aoQtA=/1484x0/arc-anglerfish-washpost-prod-washpost.s3.amazonaws.com/public/6QRFIIEY6AI6TGQW3RKR5JNEHM.jpg
2019年7月11日 16:48 AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3234762?act=all