環境汚染が問題となっているビサヤ地方ボラカイ島で10日、地元住民と日本人観光客らのボランティアが島の環境を守ろうと海辺の清掃を行った。場所は島最大の観光スポットで、日本人観光客にも人気があるホワイトビーチ。この日だけで大型ごみ袋40袋分が集まった。
清掃活動は日本の旅行会社エス・ティー・ワールドの比現地法人フィリピン・トラベル・ファクトリー(首都圏マカティ市)が昨年に続いて主催。地元の小学校児童や、飲食店、レジャー施設など観光関係者に加え、日本からの観光客、主催旅行会社の社員ら約170人が参加した。
ホワイトビーチの1・7キロメートル区間でごみ拾いを実施し、酒の空き瓶など大型ごみ袋40袋分を収集した。最も多かったのはたばこの吸い殻で、ペットボトル70本分を拾い上げたという。
観光客が捨てていくごみが多かった一方で、比ではポイ捨ても多く見られることから、児童らは環境学習の一環で参加、ごみを持ち帰る習慣を学んだ。
ボラカイ島の海岸ではホテルなど観光施設から汚水が流出、水質汚濁が問題になっている。ドゥテルテ大統領は2月、ボラカイ島の環境汚染を「半年以内」に解決しなければ島全域を閉鎖すると表明。シマツ環境天然資源長官が未処理排水を海に流している51の施設に、2カ月以内の改善を求めたほか、事態を重視した上院も2日、現地で公聴会を開き、環境保護対策などを議論した。
清掃活動を主催した旅行社の鈴木隆仁マニラ支店長は「観光客の皆さんにずっときれいなホワイトビーチを見てもらいたという思いから、できることがあればと清掃活動を実施している」と語った。(冨田すみれ子)
まにら新聞
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