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【漫画】楽園特集 かずまこを×水谷フーカ×鶴田謙二×kashmir×panpanya座談会[18/04/06]
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2018/04/07(土) 02:27:41.19ID:CAP_USER
意中の地味女子は実は…甘詰留太「ボクだけ知ってる一宮さん」が完結
2018年3月30日 18:00 コミックナタリー
https://natalie.mu/comic/pp/rakuen03

かずまこを「ディアティア5 ?エンゲージ-」
https://cdnx.natalie.mu/media/pp/static/comic/rakuen03/pc_item01.png

https://cdnx.natalie.mu/media/pp/static/comic/rakuen03/photo23.jpg

中村明日美子、蒼樹うめ、木尾士目、久米田康治、沙村広明ら大ヒット作を持つ作家から、8年かけてデビュー単行本を上梓した竹田昼、成人誌で人気を誇る新鋭・幾花にいろまで多種多様な作風のマンガ家たちが、のびのびと自作を発表する “楽園”。
2月・6月・10月と年3回だけ、じっくりと時間をかけて制作され、刊行される楽園 Le Paradis [ル パラディ]が今、充実の時を迎えている。

コミックナタリーでは、楽園の連載作を彩る“恋”と“背景”というテーマに注目。
それぞれ高校生と中学生の恋愛ストーリーを発表してきた「ディアティア」のかずまこを、「14歳の恋」の水谷フーカに“恋”を描くことについて思うところを聞いた。
また「ポム・プリゾニエール La Pomme Prisonniere」の鶴田謙二、「てるみな」「ぱらのま」のkashmir、「枕魚」「二匹目の金魚」のpanpanyaの3人に、その独特の背景への考えを語ってもらった。さらにデビュー20周年を迎えた宇仁田ゆみへのメールインタビューも掲載しているので、合わせて楽しんでほしい。

◆「ハーレムもの」って言われた瞬間に「なるほど」と思った(かずま)

──今回は5名の皆さんに集まっていただきましたが、水谷フーカさん、かずまこをさんに「恋愛」、鶴田謙二さん、kashmirさん、panpanyaさんには「背景」というお題で、それぞれお話していただければと思っています。まずはかずまさんと水谷さんが「ディアティア」と「14歳の恋」を楽園で描かれることになった経緯について聞かせてください。

かずまこを 編集の飯田さんに、楽園ができる前から「一緒にお仕事しませんか」というお話をいただいて。でも当時、私はデビューしたてでなかなか執筆のサイクルも掴めなかったんです。自信ないですって話をしているところに、「新しく4カ月に1度の雑誌を作ることになったのでいかがですか」と。

水谷フーカ 「14歳の恋」は、楽園第2号に掲載された「GAME OVER」という作品のプロットを出したとき、飯田さんに「あなた、中学生の恋愛を描きなさい」と言われて(笑)。「描きます」と言ってスタートしました。

──中学生の恋愛、と言われてどう思いましたか?

かずまこをが、水谷フーカの「14歳の恋」のキャラクターを描き下ろした。
水谷 あまり恋愛マンガには触れてこなかったので、「大人の恋愛を」と言われるよりはイメージしやすかったと思います。私は楽園で描く前に百合マンガを描いていたので、男女の恋愛マンガというのはこのときがほぼ初めてで。だから「中学生」って具体的に言っていただけたのはありがたかったですね。漠然と「男女ものの恋愛で」って言われても困ってしまったと思います。

かずま そういう意味では飯田さん、「ディアティア」のときは「ハーレムものを」でしたね。

水谷 へえ、面白い!

かずま そうなんですよ。私も男女の恋愛ものを描いたことがなくて、楽園のテーマが「恋愛」と聞いたときは、男女ってどうやって恋愛してたっけ?ってすごく迷ってしまったんですけど、「ハーレムもの」って言われた瞬間にやることが見えてきました。

水谷 そういうものですよね。私はあと「セーラー服で」とも言われて。「14歳」と「セーラー服」がお題でした(笑)。私は百合作品も、百合が大好きだから描いていたというよりは、「女の子同士を描いてみませんか」と言われて、面白そうだなと思って描き始めたんですよ。

かずま 百合もお題の1つというか、シチュエーションの1つっていう捉え方ですよね。

水谷 ええ。「百合」でも「中学生」でも、「年の差」でも「遠距離」でもいいんです。何かそういった縛りがあれば、イメージが湧いてくるのでストーリーを組み立てやすいですよね。

かずま 「ディアティア」を構想していたとき、私の描く女の子の絵が好きな読者の方がいらっしゃるのはわかっていたので、女の子をたくさん描きたいなっていう気持ちもあったし、女の子の「好き」っていう気持ちを何種類も取り扱えるのは面白そうだなと。あとは飯田さんのそういう注文が面白いなと思ったので、自分の文法で「ハーレムもの」を描いてみたくなって。チャレンジしたい題材だったんだと思います。
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2018/04/07(土) 02:31:15.08ID:CAP_USER
水谷フーカが、かずまこをの「ディアティア」キャラクターを描き下ろした。
鶴田謙二 「ハーレムもの」ってリクエストされて、これ(「ディアティア」)ができるのかあ(笑)。

──「ディアティア」の主人公・成田はモテる男子ではありますが、彼女の睦子とはお互い初めての恋人同士ですし、初々しい恋を描いた作品です。一般的な「ハーレムもの」とは受ける印象がだいぶ違いますよね。

鶴田 ええ、相当すごいですよ。

かずま ありがとうございます(笑)。

(中略)

「エレキテ」の景色も、ほとんど家の周り(鶴田)

──背景に使う写真は、ご自身で撮影に行かれるんですか。

鶴田 うん、でも自分の撮った写真って意外と使えないですよ。

panpanya そうですね。あとで資料になるかもと思って撮っておいたものでも、見返してみると全然足りないっていうことがよくある。描くものがはっきり決まってれば欲しい写真が撮れるんですが。

kashmir 普通に観光地に行って撮る写真と、マンガを描くときに必要な写真ってだいぶ違いますよね。もっと、すごくどうでもいい地面とか柵とかが重要で。だから取材は本当はネームの前と後で2回行きたいんです。でも遠いところは2回も行ってられないので、決め打ちでやるしかない。

──とりあえず広角で撮っておけばいいってわけでもないんですか。

kashmirの描き下ろしイラスト。右側は鶴田謙二作品の背景を、左側はpanpanya作品の背景をイメージしている。
kashmir マンガでキャラクターが出るシーンって、広い範囲を広々と描くというよりは、特定の背景を切り取るという意味でわりと望遠寄りなんです。だから広角で撮っても、そのままだとそんなに使えないですね。見開きで描く絵とかだと大丈夫なんですけど。

鶴田 背景用に撮った写真にキャラクターを乗っけてみたら、背景に欲しいものが何も写ってないとかね、よくある。

panpanya なので、写真をそのまま使うということはあまりないですね。全然違う角度の写真を寄せ集めて、屋根の形はこれにしよう、窓の形はこれかな、とか組み合わせたり、想像で描いた下描きに適した写真を探してきてディテールだけ参考にしたり。

kashmir その場所で撮った写真には富士山写ってないけど、マンガでは富士山入れちゃったりね(笑)。

鶴田 やるやる。「エレキテ(冒険エレキテ島)」の景色も、ほとんど家の周りなんですよね。ここの段差と、ここのガードレールと、ここの坂を組み合わせて、とかそんなふうにして描いてました。

──ちなみに、「モモ艦長の秘密基地」の宇宙船は何を参考に描いているんでしょう。

鶴田 宇宙船の中は自分の部屋ですね。まだ内容的にそこまで踏み込んでないので詳しくは言えないですけど……。1年半後ぐらいにその意味がわかると思います。

背景もキャラクターの1つだと思って描いてる(鶴田)

鶴田 そもそもキャラクターの後ろに描かれている絵を背景と言ってしまっていいんですか?

panpanya ああ確かに……背景っていう言い方はしないですね。景色、風景。

鶴田謙二「モモ艦長の秘密基地」より。
鶴田 うん、風景の絵ですよね。背景じゃない。それに背景もキャラクターの1つだと思って描いてるし。マンガでは、舞台を記号的に設定するための絵を背景って呼びますけど、背景をちゃんと絵として描こうと思ったら、それはもうキャラクターじゃないですか。背景はただ単に状況を説明するための要素ではなく、登場人物と同じぐらい替えの聞かない存在だと思うんです。ベネチアはベネチアだし、エレキテはエレキテだし。

kashmir 僕はなくていいものを描いているっていう感じはしてます。別に説明する必要のないものを、すごい時間をかけて描いてるなと。

鶴田 わかります。理由なんてなくて、もう描かなきゃいけないと思うから描くんだよね。僕は、基本的にキャラクターのその後ろを埋める作業が好きで。キャラクターと釣り合いが取れるように背景を描いているから、背景を描いたときには人物を入れ込みたいし、人物を描いたときには背景を入れ込みたい。まあ趣味ですねコレは(笑)。きちっとキャラクターが描けたときには、背景が一緒についてくるし。それでひとつの絵なんです。
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2018/04/07(土) 02:34:17.71ID:CAP_USER
panpanya なんか“景色に対する態度”ってあると思っていて。マンガの背景としてだと、例えばコマにY字の線で天井と壁を描けば、「ここは部屋の中です」っていう説明はできると思うんですけど、現実にはそこに影ができてるとか、パイプが通っているとか、もっとたくさんディテールがある。マンガでそれをがんばって描こうとしても、現実ほど写実的には到底できないんですけど、でもがんばって近づけようとしているという態度は画面に出ると思うんですよ。

──なるほど。

panpanya 状況や説明であればいいっていうのは踏み越えて、表現しようとしている姿勢みたいなものがある気がする。ここにでっぱりがあるっていうことを言いたいし、鉄パイプにつなぎ目があることを言いたいし、この隙間から雑草が生えていることを言いたい。

kashmir「てるみな」より。
kashmir すごいわかる。草ってどこからでも生えるじゃないですか。そういうのは見逃せなくてマンガの中に描いてしまうんですよね。

panpanya そう、見逃せないんですよ。しかし多くの場合見過ごされている。現実はマンガに比べてこんなにも解像度が高いというのに。でもマンガだと、ただの背景にも「わざわざ描いてる」っていう事実が上乗せされるから、見逃せないのだという気持ちを見る人に伝えることができる。kashmirさんの「ぱらのま」の背景に対して、「てるみな」の背景がよりウェットな感じがするのは、異界を舞台にした「てるみな」はトレスじゃなく「わざわざ描いている」っていう態度がよりにじみ出るからではないかと思いました。

鶴田 ドラマとかストーリーっていうのはキャラクターだけにあるわけじゃないんですよ。人物だけにあるんじゃなくて、背景や風景にもある。それを思いついたら描いておきたいっていうのがあるんだよね。

「背景はキャラクター」っておっしゃるのに、すごく愛情を感じる(かずま)

──かずまさん、水谷さんは3人のお話を聞かれていて、いかがですか?

かずま もうずっと肩身が狭いんですけど……(笑)。私はストーリー重視で背景にはこだわりがなくて。記号的に背景を描くタイプ。そこに学校のようなものがあればそれで十分と思って描いちゃうので。

水谷 わかります、私もそう。背景を描いちゃうとごちゃごちゃするので、人物だけのコマもありますし。逆に背景を気にしてもらったら困るみたいなところありますよね。

「ディアティア5 ―エンゲージ―」より。2コマ目の睦子の肩にかかる髪に注目。これが「女の子の肩が当たったときにふわっと浮く髪の毛」。
かずま 困る! だから、皆さんが背景はキャラクターっておっしゃるのが、すごく愛情を感じて……。1人ですごくジーンとして、泣きそうになってました(笑)。でも私も、キャラクターを描くとき、「この線がそこに入ってないと、思い描く絵にならないんだよ」っていう線があるんです。「女の子の肩が当たったときにふわっと浮く髪の毛の線をここに入れなきゃ駄目」みたいな。で、それに時間がかかってつらくなったり。多分、そういう大事な線が、皆さんは背景にあるんだろうなと、お聞きしながら思ってました。それだけ全体に愛情を込めて描いてらっしゃるのが伝わってきて、素晴らしいなと。

鶴田 向いている方向が違うだけですよね。

panpanya だって髪の毛って言ったら……(自分のキャラクターを見て)。

一同 (笑)。
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2018/04/07(土) 02:35:18.92ID:CAP_USER
──では最後に、これから楽園でやりたいことや今後の意気込みなど聞かせてください。

水谷 私は「14歳の恋」をもうしばらく描きます。9月のエピソードを描くだけでもすごく長かったので、冬はだいぶ長くなるんじゃないかなと。学生らしいイベントはまだまだいろいろあるので、丁寧に描いていければと思ってます。

かずま 私はまだ別れを描いたことがないので、楽園で1度描いてみたいなと思っています。でもなかなか難しいなと思って……。やっぱりキャラクターを好きになってもらいたいし、好きになったキャラクターが別れたら寂しいし、でも別れを描くからには、それ以上に何かを思ってもらいたいし。

鶴田 じゃあひとつのカップルが、いろんな別れ方を脳内でシミュレーションしてる様子を描くっていうは?

かずま 架空の別れを描くってことですか?なるほど……。うまく描けたら面白そうだけど、難しそう……(笑)。

panpanyaの描き下ろしイラスト。右側はkashmir作品の背景を、左側は鶴田謙二作品の背景をイメージしている。
panpanya 私はいつも通り、いいものが思いついたらいいなという感じです。結構、出たとこ勝負というか、毎回全然違うところからポロっとアイデアが出てくるので。

kashmir 僕もあんまり目標はないんですけど、北のほうにまだ行ってないから行かないとなっていうのと、インドネシアには行ってみたいなと思ってます。

鶴田 僕は、どこまでやったら飯田さんに「駄目」って言われるのか試してみたいですかね(笑)。あとはできるだけセリフを減らして、写植のやりとりする編集の時間もマンガの執筆のためにもらう。

一同 (笑)。
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