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コラーゲンたっぷりの煮こごり＝ひょうご部落解放・人権研究所提供
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牛ホルモンを揚げたあぶらかす＝ひょうご部落解放・人権研究所提供
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「隣保館」を知っていますか−。
人権啓発や住民らの交流拠点として、兵庫県内には全国最多の８５館があるが、あまり知られていない。
この施設の歴史や役割を伝えるイベント「隣保館マルシェ」が２日、姫路市本町のイーグレひめじである。
地域の食文化やゆかりのある産業の魅力を紹介し、「差別のない社会」の実現を目指す。（木村信行）
隣保館は、社会福祉事業法に基づく施設。同和対策で整備が進み、全国に約８２０館ある。
県内には８５館あるが、偏見を避けたい地域の思いもあり、「ふれあい館」「生活文化会館」など名称変更された場所が多い。
今も「隣保館」と名乗っているのは４分の１ほどという。
イベントは、各館が取り組みを共有し、住民との交流を深めようと、県隣保館連絡協議会が２０１５年に始めた。
芦屋、加古川市を巡回し、今回は３回目。
たつの市の総合隣保館（同市揖保町）が中心となって企画し、各地の隣保館に呼び掛け、多彩な食のブースや催しをそろえた。
ご当地名物コーナーでは、同市のグループが牛ホルモンを牛脂で揚げた「あぶらかす」を販売。
伊丹市のグループは、ホルモンのすじ肉を使った煮こごりや、馬肉を薫製にした「さいぼし」を出品する。
ＮＰＯ法人の姫路人権ネットワークは、ベトナム春巻きの屋台を出し、姫路に多く住むベトナム人の食文化を味わってもらう。
姫路とたつの市で全国シェアの７割を占める皮革産業も紹介。
地元中高生による皮革製品のファッションショーや人権啓発劇の発表もある。
県隣保館連絡協議会の山本繁信事務局長は「楽しみながら、隣保館を知ってもらう機会になれば」と話す。
午前１０時半〜午後３時。入場無料。
【県隣保館連絡協議会の志水豊章会長の話】
あぶらかす、ホルモン、肉めし…。かつて被差別部落と呼ばれた地域には魅力的な食文化がある。
姫路やたつの市の皮革は、今や世界に誇れる技術になった。
こうした独自の文化を隣保館から発信したい、というのがイベントの狙い。
特に料理は、貧しさゆえの住民の知恵と工夫が詰まり、安くておいしい。まさに地域のソウルフード。
最近では料理店でも人気の食材になり、なかなか手に入らないほど。どんどんアピールしたい。
ヘイトスピーチ対策法や障害者差別解消法に続き、昨年１２月、部落差別解消推進法も施行された。
この法律では、部落差別が今もあることを前提に、差別のない社会の実現を目指している。こうした変化も伝えたい。
地域の高齢者が交流する仕掛けとして、全国の公民館などに広がった「ふれあい喫茶」は、香川県の隣保館が始めた「１００円カフェ」が発祥とされる。
文化活動や地域の交流拠点としても隣保館を利用してほしい。
神戸新聞NEXT 2017/11/30 05:30
http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/201711/0010775204.shtml
