栃木県大田原市佐良土の佐良土多目的センター前で19日、
稲わらで作った大きな縄を引き合う綱引き行事「大捻綱(だいもじ)引き」が22年ぶりに復活した。

稲わらの確保が困難になり、担い手不足もあって平成7年を最後に中断していたが、
同市佐良土地区のお盆の伝統行事だけに、地域住民が「次の世代に継承したい」と1年がかりで準備、復活させた。
(伊沢利幸)



長さ50メートル、太さ50センチを超える綱をより上げ、引き合う綱引き行事。
戦国時代、地元・福原城主の那須氏と福島・白河城主の結城氏が箒川で戦い、
敗れた結城勢が箒川の崖に大縄を下げて逃げようとした際、両軍が綱を引き合ったことが起源とされる。

かつては佐良土地区の仲宿、古宿、田宿の3集落が輪番で大縄を用意した。
綱引きに勝った集落は豊作や家内安全が約束されると言い伝えられ、
国選択無形民俗文化財、とちぎのまつり百選に選定されている。

昨年7月、市立佐良土小学校PTAなどから
「行事を復活させ、子供たちに継承させたい」との要望書が自治会に提出され、
地域住民が同地区活性化協議会を設立、準備を進めてきた。

この日は佐良土多目的センター駐車場で朝から約6時間半かけて、約20人が大縄を作製。
使用した稲わらは田んぼ30アール分にもなる。

午後6時から同センター前の国道294号で津久井富雄市長も出席して開会セレモニーがあり、
続いて子供たちや大人たちの綱引きが行われた。

「わっしょい、わっしょい」と大きな掛け声が上がり、住民らは歯を食いしばって懸命に綱を引いた。
同協議会の生田目昭一会長(71)は
「復活できて本当に良かった。今後50年、100年と継承していけるように頑張りたい」と話した。

写真:懸命に大綱を引く住民には誇らしい笑顔があった
http://www.sankei.com/images/news/170821/rgn1708210037-p1.jpg

以下ソース:産経ニュース 2017.8.21 10:25
http://www.sankei.com/region/news/170821/rgn1708210037-n1.html