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兵庫医科大学に入っている兵庫さい帯血バンク=西宮市武庫川町
白血病など血液病患者に移植する臍帯血(さいたいけつ)を凍結保存し医療機関に供給する「兵庫さい帯血バンク」が、入居する兵庫医科大学(兵庫県西宮市)から退去通告を受けたことが分かった。
多額の移転費用や賃料の負担増により、移転先の見通しは立っていない。全国の草分け的存在で、国が許可する六つの公的臍帯血バンクの一つ。
昨年度、約1300人に移植された臍帯血のうち、約1割を扱う兵庫のバンクが存続の危機に立たされている。
国内初の臍帯血移植は1994年に血縁者間で行われた。97年には非血縁者間で始まり、臍帯血バンクの必要性が高まった。
兵庫さい帯血バンクは95年、兵庫医大の医師らが中心となって近畿臍帯血バンクの構成組織として発足。2000年にNPO法人となった。
発足当初から兵庫医大に間借りし、04年に現在の「MR棟」(2階建て延べ約324平方メートル)に移設。
臍帯血を調製する無菌管理室や凍結保存するタンクを備え、16年度は145人分を全国の医療機関に提供した。
兵庫医大は、入院病棟の耐震化などを目的とした新病棟整備計画に伴い、今年7月1日付で退去を通告。18年8月末までの明け渡しを求めている。
神戸新聞の取材に対し兵庫医大の太城力良(たしろ・ちから)副理事長(70)は「臍帯血の移植医療機関として草創期から支えてきたが、
バンクの臍帯血を使った研究は行っておらず、抱える必要性が薄まった。建て替えによる退去の要請はやむを得ない苦渋の決断」とする。
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https://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201708/0010426306.shtml