「広告」の強制的な表示は多くのユーザーの嫌うところですが、商業サービスでは広告による収益化は避けられない課題です。動画配信サービスのHuluは、ユーザーが視聴中のムービー再生を一時停止するタイミングで広告を表示する新戦略を検討中だとのこと。Huluの広告プラットフォーム担当のジェレミー・ヘルファンド副社長は、「視聴体験が増えるにつれ、ユーザーは(ムービー再生を)一時停止したいと望んでいます」と述べ、一時停止のタイミングで広告を入れる「pause ads(ポーズ広告)」は、現在の30秒間の広告よりも有望であるとの見解を明らかにしています。
一時停止広告の有用性についてはDirecTVとU-verseを抱えるAT&Tも賛同しています。AT&Tの広告部門のマット・バン・ハウテン副社長は「一時停止と一時停止の解除のタイミングでは、100%の視認性が確保できることがわかっています。その体験には大きな"価値"があります」と述べ、ユーザー行動に照らして、一時停止広告の効果に期待を寄せています。
動画配信サービスでは、ムービー再生中に突然挿し込まれる強制的な広告(ミッドロール広告)が広まりつつありますが、視聴体験をぶった切る方式の評判は良くありません。ミッドロール広告に比べれば、一時停止のタイミングで表示される広告の方が、ユーザー体験を損ねずにユーザーの注意をひくことができ、広告効果は高いかもしれません。
HuluやAT&Tの試みが成功すれば、有料サービスとして広告なしのビジネスモデルを採用する動画配信サービスでも収益のチャンスを広げられる、比較的リスクの小さな収益モデルにもなりそうです。
https://gigazine.net/news/20181205-hulu-att-new-maneuver/