0001みつを ★
2017/04/09(日) 16:39:19.31ID:CAP_USER家畜の快適な飼育環境に配慮する「アニマル・ウエルフェア(動物福祉)」の考え方が、欧米を中心に広がってきた。2020年の東京五輪・パラリンピックを開催する日本でも、会場などで提供する食材の調達基準に盛り込まれ、農林水産省は生産者への周知を強化する方針だ。
欧州連合(EU)は肉や卵、乳製品の生産現場に対し、動物福祉の規制を年々強化している。12年には採卵用の鶏に関し、身動きが困難な狭い鶏舎の使用を禁止。豚や牛などにも飼育面積や環境の基準を定めた。
オランダで養鶏などを営むベンコマチックグループは、鶏を自然に近い状態で放し飼いにし、温度や湿度などを効率的に管理する独自の設備を開発。ペーター・バンガリング代表は「鶏の性質を尊重した環境でストレスがかからない。病気になりづらく健康に育つ」と効果を強調する。消費者の意識の変化を背景に、付加価値が高い卵や鶏肉として販売できるという。
米国でも、外食や小売り大手が販売戦略として動物福祉を重視し、この考えに基づく畜産物だけに調達を絞る動きが広がる。米マクドナルドは米国とカナダの全店で、狭い鶏舎で生産された鶏卵の使用を順次取りやめる方針だ。
日本には、欧州のような厳しい規制はないが、東京五輪・パラリンピック会場などへの畜産物提供では、動物福祉への対応を含む生産管理の日本版認証「JGAP」などの取得が必要となった。生産者は自己点検ではなく、農水省が策定した「家畜飼養管理指針」を実践できているかどうか審査を受けなければならず、農水省も生産者への支援を急ぐ構えだ。
日本での動物福祉の普及について、農林中金総合研究所の平沢明彦主席研究員は、設備投資のコストや動物の飼育環境に対する欧米との考え方の違いに留意すべきだと指摘。一方、欧米への輸出を目指す生産者に関しては、「今後は現地基準にある程度合わせることも必要になる」と話している。
2017年04月08日15時27分