アステラス製薬は5月22日、
日本で2018年度に早期退職者の募集を行う予定と発表した。アステラス製薬本体と、
営業支援などを行う国内グループ3社を対象に計600人の募集を想定している。
対象者の年齢など詳細は開示していないが、同社の安川健司社長は同日に開いた新中期経営計画の説明会で、早期退職者の募集は
「(アステラス製薬の)全ての部門にあてはめるものであり、(MRも)いくばくかの減少はある」
と述べた。MR数は現在、国内最多の2400人体制。

アステラス本体を対象とした早期退職者募集は2014年度以来となる。前回は募集人数300人に対し、430人が応募した。

同社は20年度を最終年度とする3か年の新中期経営計画の中で、
他社との差別化や競争優位につながるケイパビリティ(組織的能力)に経営資源を集中する一方で、
「事業運営に必要な基礎的なケイパビリティは極力、自社ではやらずに外注に切り替える」
(安川社長)などとする“Operational Excellence”を追求する方針を示している。

国内事業では17年度に年間売上1000億円近くの降圧剤ミカルディスファミリーに後発品が参入、
18年度〜20年度にかけて喘息薬シムビコートや消炎鎮痛薬セレコックス、
過活動膀胱治療薬ベシケアなど主力品の特許切れが相次ぐ厳しい経営環境も予測されている。Operational Excellenceの追求と、
マス市場向け主力品の特許切れを背景に今回、早期退職者を募集することにした。

早期退職者の募集対象は、営業など直接部門を含むアステラス本体に加え、
▽資材管理などの営業支援を行うアステラス営業サポート社(約70人、以下AES)
▽研究支援を行うアステラスリサーチテクノロジー社(約200人、ART)
▽人事部門の関連部門で人材育成や研修支援を行うアステラス総合教育研究所(ALI)のグリーンサプライ支援業務以外の事業(約80人)――となる。
AES及びART、ALIの募集対象となっている事業は、いずれも18年度末までに終了する。