コロナの政府与野党協議会 成果なく廃止論も 2020.8.4 20:15

 政府と与野党が新型コロナウイルス対策について話し合う連絡協議会が4日、国会内で開かれた。
野党側は毎回、提案や質問を投げかけているが、政府側から満足のいく対応を
引き出せているとはいいがたい。一部からは廃止すべきだとの意見も出ているものの、
臨時国会が開かれない中で、政府追及の見せ場としたい野党側の思惑も透ける。

 「今日は議論が白熱した。終わった後も与野党ともテーブルを離れられず、
いろんなやり取りをさせてもらった」
 立憲民主党の逢坂誠二政調会長は協議会終了後、記者団にこう強調した。

 連絡協議会は3月、新型コロナの全国的な感染拡大を受けて設置された。
西村明宏官房副長官と各党の政策責任者らが出席し、
これまでに約1時間の会合を16回開催。感染防止対策や経済対策を議論してきた。
 一部野党は政府の対応を問いただしたり、施策を提案したりしているが、関係省庁の担当者が
明確に説明できず、回答を次回に先送りすることもある。このため、7月28日には日本維新の会の
遠藤敬国対委員長が「意味があるのか」などとして、廃止も含めた見直しを与党側に提案した。

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は「引き続き丁寧に対応したい」と継続する考えを示したが、
与党からは「あくまで連絡の場で、政策協議をする場ではない」(自民政調幹部)と冷ややかな声が上がる。
事実、令和2年度第2次補正予算の編成などでは、
自民と立民の政調会長による協議の場が連絡協議会とは別に設けられた。

 それでも、維新以外の野党が協議会にこだわっているのは通常国会が閉幕した6月下旬以降、
数少ない政府追及の機会になっているためだ。4日の協議会では野党側は、政府が全国的に
感染が広がっているにも関わらず、観光支援事業「Go To トラベル」を行っていることや、
お盆の帰省をめぐって関係閣僚の発言に齟齬(そご)があることなどをやり玉に挙げた。

 逢坂氏は協議会の廃止論が出ていることについて、
「意味がないとは全く考えていない」と反論した。(豊田真由美)
ttps://www.sankei.com/politics/news/200804/plt2008040049-n1.html